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今、闘牛がアツい!!!八重山観光闘牛

寅年會の角金

牛の必死な姿、一歩も引かない強い気持ちに感動を覚える。

闘牛ってすげえ

沖縄本島や奄美諸島の徳之島で盛んな闘牛。スペインの闘牛のせいで「闘牛って残酷」というイメージがあり、私もちょっと嫌なものだと敬遠していた。動物好きだから。

でも、闘牛アナウンサーのYouTubeを見て心を入れ替えた。牛のオーナーたちは身を削る思いで牛に尽くし、牛はオーナーの気持ちを知ってか知らずか全力で戦う。時には牛と人の絆さえ感じることさえある。牛は無理やり戦わされているのではなく、戦いたくて相手に向かっていく。

人間の闘いよりも面白い、八百長なし言い訳なしのがちんこ勝負だから。そして2024年8月、ようやく闘牛を生で見られることとなった。

八重山ナイター闘牛へ!

八重山観光闘牛

八重山観光闘牛のチラシを私は見逃さなかった。牛汁家で見つけ、すぐさま沖縄観光協会にチケットを買いに行った。当日10試合のうち、2試合は牛の不調でキャンセル。1試合は、牛の戦意なしで不戦勝となった。そういうところも、やっぱり忖度のない動物ならでは、という感じ。

でも、牛の体調を見てキャンセルを申し出たオーナーは偉い。牛の健康、安全が最優先だからな。

若牛対決っていうのもおもしろかった。まだ1歳半の子と3歳の子の試合だけど、勝敗はつけずに雰囲気だけ体験させる。そこで自信だけつけさせる。若牛だから、ぴょんぴょんと跳ね回ってかわいらしい。それでも、しっかり頭をぶつけて戦っていた。

牛にも負け癖がついてしまう。負け癖がつくと、戦意を失ってしまう。難しいなあ。

私のヒーロー、寅年會の角金

Screenshot

どの試合もおもしろかったけど、一頭忘れられない牛がいる。それが寅年會(とらどしかい)の角金(ちんがにー)。

角金は13歳のベテラン。相手は6歳で体重も40kg重い。とても不利に見えた。それだけでなく、角金には左足の関節にコブがあった。実況の人は「捻挫でしょうか」と言っていたが、やはり力が入りづらそうで少し震えたり、何度も踏み直したりしていた。

角金の息があがるのも早く、5分くらいで腹部が大きく動きだした。相手の息はまだまだ安定している。ああ、ダメだ。角金が圧倒的不利だ。これはもう、負けてしまう。どのように負けるのか、それを見守る闘いだと私は感じた。

しかし、角金は粘った。20分、25分。もう息があがっている。滝のような涎を2度吐いた。もう限界を迎え、舌を出した。角金、なぜ諦めない?もうよくやった。このままでは死んでしまうかもしれない、とさえ思う気迫だった。今後のためにも、角金、もう大丈夫だからと心の中で祈った。

そして28分。相手が逃げ出した。

角金の気迫に負けたのだった。相手の牛はまだ息も完全にあがっていないし、舌も出ていない。それでも、何があっても諦めない角金の気持ちに恐れおののき、耐えきれなくなったように見えた。

角金。勝利をわかっているのかわかっていないのか、舌を出しながらも誇らしそうだった。

角金、ゆっくり休んで回復してくれ。この一戦は応えたに違いない。牛のこんな強くてまっすぐな気持ちを見て、諦めないことの強さを見て。私はもう何と言っていいのかわからなくなった。自分がここまで必死に生きていると、到底思えなくて。命を燃やすってこういうことだ。

のちにYouTubeを見て知ったが、角金はこの試合で引退らしい。お疲れさま。素晴らしい戦士だったってこと、私が生きている限り記憶し続けるよ。

ロマンがあり、ドラマがある。

闘牛にはドラマがある。牛とオーナーのドラマ。勝ち負け。闘い方。

そして、ロマンがある。小学生でもオーナーとして出場できるし、90歳近くでも闘うことができる。こんなおもしろいもの、見ないわけにはいかない!

牛も人もすごくよくやっている。頑張っているし、この文化を見守ることで支えたいと思う。

そして、闘牛アナウンサーがいい仕事してる!あの人の解説があるかないかで大違い。初心者にもわかりやすく、そして奥深く伝えてくれる。まるで牛の心を代弁しているかのような解説は、「牛ってこんな高度なことまで考えられるの!?」とびっくりする。これからもずっと闘牛の解説してほしいな。この人のおかげで、闘牛がすごくとっつきやすいものになっていると思った。