MENU

雨が降るとほっとする酷暑の夏

鳩間の海

インドには乾期と雨期がある。私が住んでいたムンバイでは、12月〜2月くらいから雨が降らなくなり、3月〜6月くらまで毎日晴れ続ける。そして、7月くらいから激しく雨が降り続け、9月くらいまでにかけて1年分の降水量を賄う。

いつ雨が降るかわからない日本の天気は煩わしかった。でも、石垣にいると、雨が降るとホッとする。

世界一美しい鳩間のサンゴ

世界には美しい海がたくさんある。タイやフィリピン、モルディブ、ハイチ…。でも、鳩間のサンゴほど美しいところが他にあるのだろうか?ああ、でもグレートバリアリーフにはさすがに敵わないかもしれない。

鳩間島沖のサンゴ礁

鳩間島の沖には、イキイキとした元気なサンゴ礁が広がっている。それも、見渡せないくらい。一体どれくらいの広さなんだろう。忘れられない、また見に行きたい。

鳩間の海の海亀

もしシュノーケルの経験者なら、西表島出発のツアー「Rayreef」がおすすめ。西表出身のオーナー自ら案内してくれるので、スポットも抜群。ドローンを駆使して、海亀を探してくれたりもする。

飲み物、タオル、温水シャワー完備で、ホスピタリティは情けの八重山の中でも随一。おもしろい島の話も聞かせてもらえる。

初心者と経験者が混ざると経験者が我慢したりすることが多いので、経験者専門にしているらしい。でもライフジャケットも貸してもらえる。私がツアーに行った日はちょっと波が高くて怖かったけど、自由に泳がせてもらえるし、適度な距離感でリードしてもらえる。

シュノーケルに慣れている方は、ぜひRayreefを!料金も非常に良心的だ。

台風がこない夏

2024年は台風がなかなか来ない年らしい。8月後半の時点で、大きな台風は1回しかこなかった。

こんな中、海に入るとまるで温泉。ぬるいなんてレベルじゃない、熱い。サンゴは白くなってしまい、必死で暑さに耐えている。水温が30度以上の時が続くと、サンゴの中で共生している「褐虫藻(かっちゅうそう)」が水中に逃げ出してしまうらしい。緑っぽさが抜けてしまって白くなってしまい、その状態が長く続くとサンゴは死んでしまう。

白くなってもすぐに死ぬわけではないが。

また、海の中のサンゴの面積はたった0.4%に対し、海の25%の生き物がサンゴ礁に住んでいるらしい。豊かな海にサンゴは欠かせない。

しかも、八重山の島の土壌はすべてサンゴでできている。死んだサンゴが石となり、隆起して島となった。それだけのサンゴが存在していたこともすごいけど。「サンゴの上で生きている」という意識がこの島のひとたちにはある。

そして話は戻るが、サンゴが酷暑を乗り切るには台風が欠かせない。台風が来ると海水が下から上にかき混ぜられ、水深が浅いところの水温が下がる。実はサンゴ保存のための功労者なのだ。

雨が降るとほっとする

蛇口を捻ると温水が出てくる。海のことを考えると、ひやっとしてしまう。サンゴたち大丈夫か?と。

一方で、雨が降るとほっとする。ああ、これで水温がちょっと下がったかな、と。気休めかもしれないが。鳩間のサンゴは海流の関係で水温が一定に保たれやすいらしいといえど、この暑さは心配になる。

石垣島の米原ビーチはサンゴ礁のビーチとして有名だが、鳩間のサンゴ礁を見た後だと焼け野原に思えるようになった。深刻なダメージを受けている。すでに死んでしまったサンゴが多く、残ったサンゴも白くなってしまっている。そして観光客。彼らが果たして足元を気にしているだろうか?サンゴは踏まれているに違いない。

心苦しい。